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2017年12月14日木曜日

初代 泰蔵氏が海運業を始めたキッカケ

こんにちは、木村です。
ここ数日の増毛町は、暴風雪警報が発表されるほどの大雪となり
本間家の雪かきをしている大番頭さんも悲鳴をあげています。


さて本日は「初代 本間泰蔵氏が海運業を始めたキッカケ」についてご紹介します。

泰蔵氏が商売を始めた頃の増毛町は、
地理的な問題から陸運より海運の方が利便性が
高く、日本海沿岸の海運をほぼ独占していた日本郵船(小樽を根拠地とする)に
頼っていました。
しかし、割高な運賃に加え欠航が頻繁に起こり、また冬季間は物価の高騰化や日常の米や味噌が不足することもありました。
そんな状況のため自家海運の必要性を感じた泰蔵氏は、自分の商売のためだけではなく、
地元中心の海運業として明治20年頃に進出。他の汽船を凌ぐほどの勢いがあったようです。
その後、明治27~8年の日清戦争、明治37~8年の日露戦争では、船舶不足による運賃高騰もあり莫大な利益をもたらし、
泰蔵氏が手がけた様々な事業のうち、最も利益の大きいものとなりました。



上記の写真は、本間家で所有していた「留萌丸」の潜水式の様子です。
煙突部分に、丸一の屋号が印してあります。『ふるさとの思い出写真集 明治 大正 昭和留萌・増毛から抜粋』


人に頼ることばかりではなく、自分で考え行動するということの
素晴らしさを改めて実感しました。


木村

2017年11月27日月曜日

本年もありがとうございました。

こんにちは。増毛町は寒い日が続き、徐々に雪も積もり始めました。
これからが冬本番となるので、今後の天候が気になるところです。

さて今年も、北海道内に限らず道外や海外から
たくさんの方にご来館いただきましてありがとうございました。
今日は、本間家で実施しているアンケート調査の中から皆様からいただいた
ご意見やご感想を掲載させていただきます。

・4月26日
ガイドさんが気さくで話もわかりやすくとても勉強になりました。

・5月14日
もっともっとたくさんの人に、知られたら良いと思いました。
古くてすばらしいものを見せていただき、古人の心も伝わるような感じがして感動をしました。
また来ます。

・6月25日
留萌管内から来ました。
当時の雰囲気が感じられるところが好きで、何度も訪問しています。
これからもこの雰囲気を保ってください。

・8月13日
休憩スペースで、おいしいコーヒーやお茶が飲めて良かったです。

このほかにもたくさんのご意見やご感想をいただきました。
来年の開館に向け職員一同、精進していきます。



2017年11月13日月曜日

松本さんからのご挨拶です。


 平成29年度もたくさんの方にご来館いただきました。大番頭こと松本さんからのご挨拶です。
 平成30年度の営業は4月上旬からとなります。日程が決定致しましたら、またご案内いたしますね。これから冬に向かっていく季節ですが、本間家は冬囲いや展示物の撤収など、まだまだやることは山積しております。
 そうそう、冬季間は閉館しておりますが、団体でのご予約に限り、本間家をご案内することが可能です。ただしスタッフや職員の手配がつかない場合もございますので、ぜひ立ち寄ってみたいという方がいらっしゃれば、下記までご連絡をお願いいたします。

 増毛町教育委員会地域学習課文化振興係
 電話:0164−53−2427

 ただし、冬の本間家は本当に寒いです。たまに外気温よりも温度が低かったりしますので、必ず暖かい格好でどうぞ。

2017年7月7日金曜日

本間家で怪談話、今年も開催いたします!


昨年初めて開催し好評をいただいた企画、「本間家で怪談話」を今年も開催いたします。
昨年同様、札幌市の怪談ライブバー・スリラーナイトの語り部をお招きし、現代に生きる怪談話を披露していただきます。何が起きるかはお楽しみ。
昨年は小林エレキさんにご出演いただきましたが、今年度は新進気鋭の語り手、匠平(しょうへい)さんが登場です。
詳細は以下のとおり。

日 時:平成29年8月2日(水)18時30分開演
    ※18時開館、終了予定19時30分
会 場:旧商家丸一本間家
入場料:無料
問合せ:増毛町教育委員会地域学習課文化振興係
    0164-53-2427(担当:小野)
ご注意:当日は混雑が予想されます。お早めにご来館ください。
    開演後はご入場いただけません。お気をつけください。

 上記にありますとおり、開演後は入場いただけなくなりますので、お早めのご来場をお願いいたします。
また、足が不自由でイス席で無ければ座れない方のみ、事前のイス席のご予約を承っております。上記の連絡先までお電話くださいませ。
たくさんのご来場をお待ちしております!

2017年3月21日火曜日

まだ寒いです。

この3連休は全国的に暖かくなったようですね。
ここ増毛はお天気は良かったのですが、冷たい風が吹いて
気持ちは少し盛り上がりに欠けました。残念~!

今日は本間家に置いてある自由帳の中から、皆様の感想を掲載させて頂きます。
*6/10 姫路から来ました。留萌線が廃止になると増毛へ来れなくなり、寂しく思います。JR北海道は利用しにくくして、廃線するのを待っているように思います。全国には第3セクターになって頑張っている路線もありますので参考にして夏期だけでも存続させてほしいと思います。丸一本間家の歴史的建造物をこれからも大切にして保存して下さい。
「ふるさと納税」にも寄付項目にありましたので考えて寄付したいと思いました。

*7/18 北斗市から夫婦で来ました。コーヒーごちそうさまでした。とてもおもしろく見学させて頂きました。出来ればもっと身近な生活等に掘り下げて観たかったです。国稀酒造の初代であったこともはじめて知りました。とても楽しかったです。

*7/24 さいたま市から3人で来ました。やっと念願の理事長に会えました。生前には色々とお世話になりありがとうございました。点訳を始めて36年を過ぎました。まだ点訳をしております。私の一生の力となっています。ありがとうございました。

*12/3 札幌から来た甲斐がありました。「増毛線」が廃止になることを知り足を運んだのですが、こんなにすばらしい建物があるとはおどろきでした。ただ、いささか”ばかでかく”疲れましたが見る価値は大いにあったと思います。この建物はずっと残してほしいです。今度は夏に来たいです。

まだまだ他にもたくさんの書き込みがありました。
遠く九州、奈良、京都、大阪等・・28年度はJR増毛線の廃線ということで
たくさんの方々に御来町頂きました。
また、「本間一夫氏」の生家でもありますので点字にご興味のある方にも
お越し頂いております。
本当にありがとうございました。

JR留萌本線「増毛線」が廃止されて3か月が過ぎました。
どうしても踏切前で一時停止しようとブレーキを踏んでしまいます。
そして「あっ!」と気づく・・・止まらなくてもいいんだと。
やはり寂しさはまだ消えません。
でも悲しんでばかりもいられませんね。

いよいよ4月から本間家も始動します。
              :女中頭 さとう

2017年3月2日木曜日

春の陽気です!

こんにちは。ここ数日は気温の高い日が続いております。
昨年末には一気に雪が降って積雪量もグンと多くなりましたが、
その後は低気圧も長く居座ることもなく
雪の降る日が少なかったのでしょうか・・・現在の積雪量は
(気象庁発表)45cmほどで例年より少なくなっています。
これは雪解けも早そうです。温かくなってほしいです。

今年度2度目の中庭の雪出し風景です。
大番頭が頑張っております。今日は暖かく大番頭もジャケットを脱ぎ捨てての
作業です。御年75歳ですが現役バリバリでございます😁

気温の高い日は要注意!!
このように屋根からぎしっぎしっと音を立てて雪が滑り落ちてきます。
危険です!!近寄らないようにしましょう~。

3月になりましたが、月日の経つのは本当に早いものです。
春は出会いと別れの季節・・・新しい日々が始まる時でもあります。
気持ちを引き締めて、「雑巾がけ」をして参ります。(女中頭ですから~)

本間家の開館日は4月21日でございます。
今年もたくさんの出会いがあると思うと楽しくて仕方がありません。
          :女中頭 さとう

2017年2月14日火曜日

『当直日誌』第2弾

こんにちは。
きょうの増毛は薄曇り、いくらか暖かい1日となっております。
鳥取方面の皆様には大雪の中、不自由を感じていることと思いますが、
どうぞ怪我や事故には充分にお気をつけ下さいますよう、
お願い申しあげます。
北海道でもこうした大雪になると大変な日々を送ることになります。
春には消えてなくなってしまうのに本当に厄介な代物です。

先日より大正時代の当直日誌を掲載させていただいておりますが、
今日はその続きでございます。
大正8年5月18日の日誌からです。
前回も紹介しました橘和七さんの日誌です。
経理部大番頭でイケメンですが・・・。
今日の事件は・・・?

2行目からの一文です。
「処ガ 午前壱時頃 寅治ガ奥帳場ニ就寝中過テ(アヤマッテ)
爐火ニ転ガリ 掛布団及丹前衣類ノ
片袖等ヲ焼キタリ 大事ニ至ラズ 幸福ナリ」

一度火がつけば、昔は大火になることが多かったのです。
木造の家が多かったということもありますし、風に火の粉がのって、もらい火もありました。
財産をすべてなくしてしまう・・・その怖さは初代の本間泰蔵さんが経験済みです。

「以後ハ 爐火ノ上ニ金網ヲ掛置クヲ
必要ト認ム 店員ノ無断外出ヨリモ
恐ルベキ火ノ元ナリ」

時々起る店員の無断外出よりも恐ろしいと書いてあります。
門限も厳しかったため、当直をしている番頭さんたちは厳しく目を光らせていました。
悪いことをするとすぐに「国に帰される」というのが、普通だったようです。

遊びたい気持ちがいっぱいの若者です。
当時は活動写真や浪曲などが開催され、料亭もあり芸者さんもいました。

一生懸命働いて、門限ぎりぎりまで遊ぶ・・・。
こうして当直日誌をみてみますと、意外と夜遅くまで遊んでいるのです。
タフな人が多かったのですね。

この時代の人々の仲間になって、夜の町に出てみたいものです。
活動写真・・楽しそう~~!!

            :女中頭 さとう

2017年2月6日月曜日

大正時代の『当直日誌』

今日は比較的あたたかく、気持ちのいい日になりました。
今年は例年よりいくらか降雪量は少ないのですが、寒さの厳しい日が
続いていましたので、この暖かさは「ほっ」とします。

ところで4日は「節分の日」でしたね。どんな行事をされましたか?
恵方巻を食べたり豆まきをしたり・・・。季節の節目に昔から伝わる行事をするのは
大切なことだと思います。ぜひ日本の良き行事を楽しみましょう。
我が家では昔は豆まきをしていましたが、最近は恵方巻を食べます。
神棚に豆とお神酒を供えてから、恵方巻にかぶりつく・・・といった一夜を過ごしました。

さて今日は「当直日誌」なるものをご紹介いたします。
これは本間家に残っていた貴重な資料の一つです。
書き下し作業をさせて頂いておりますが現在進行中で、その中の一文をお見せしたいと
思いました。

大正6~8年の日誌です。
この中を見てみますと驚くことがたくさんありました。
7人交代で、毎晩当直をしています。
夜の8~9時くらいの間に出勤してきて、各部屋の見回りをします。
鍵や火の元・・一晩に2~3回です。
これは経理部大番頭の「橘和七さん」が書いた、大正7年4月22日のもので、ちょうど
ニシン漁も最盛期の頃です。
本間家の奥帳場に和七さんの写真がありますが、なかなかのイケメンです。

6行目からの一節で
群来、差網の大漁、当店の場所の如きは大々漁、七福神寶の入舟』・・・と
大喜びの様子が伝わってきます。
日々の出来事やニシンの情報、町の様子等々・・・細かに記載されていて
昔の人々の生活がよくわかります。

まだまだ興味深いお話がありますので少しづつ、取り上げてみたいと
思っています。

本間家開館日(平成27年4月21日)にはぜひお越しください。
この日誌も展示したいと思います。
      
              :女中頭 さとう

2017年1月24日火曜日

「本間キミ」という女性

今日はとても冷え込んでいます。今年一番の寒さがやって来ました。
今朝は-19°でした。
体調管理が大切ですね。気を付けて日々頑張りましょう~。

今日は「本間キミ」さんという方をご紹介致します。
とても美人な方でしょう? 
明治43年3月19日 19歳で増毛・本間家にお嫁入りをしました。

本間キミさんは明治24年11月19日、下國濱三郎夫妻の次女として
茂辺地で生まれました。(現在の北斗市)
キミさんが生まれた明治24年の北海道の日本海沿岸は「ニシン景気」で湧き上がっていました。
増毛も例にもれず、北前船の往来があり、ニシンが獲れ千石場所と呼ばれ、
今の町中とは想像もつかないくらいの賑わいがありました。

松前藩の重臣であった下國家・・・武家の子女として育った中で商家にお嫁入りするということは
キミさんにとって、どれほど厳しいものであったか・・と想像してしまいます。
丸一本間は天塩国一の豪商と呼ばれた家です。
婚礼の際は持ち船の「太刀丸」でキミさんを迎えに行きます。
増毛に戻るとすぐに婚礼と披露宴が執り行われました。
4日間5回にわたっての盛大な祝宴だったと言います。
呉服業・醸造・ニシン漁業の網元・荒物・雑貨・海運業・・・と、不安を感じる間もなく
日々を暮らしていたことでしょう。

しかしこの後、昭和2年に初代が亡くなり、次の年には自分の夫・泰輔さんも
病で亡くしてしまいます。
この大きな商家をどうやって維持していくのか・・・悲しみに浸っているわけには
いかなかったのです。
キミさんもまた時代の流れに乗りながら、大店を次々と縮小していき、
とうとう、この「本間ののれん」を守り抜きました。

凛とした美しい女性、キミさん。
激動の時代をあざやかに生きたのです。

成人の日、テレビのニュースを見ていてふとキミさんのことが頭に浮かびました。
20歳を前に、この増毛まで船に揺られてお嫁に来たことを。

キミさんの詳しいお話は「本間家」でガイドをさせて頂きます。
ぜひお越しください、お待ちしております。
 
            :女中頭 さとう

2017年1月1日日曜日

穏やかに迎えました


昨年暮れの糸魚川の大火・熊本地震・北海道の台風上陸など
自然災害に悩まされた1年でした。
被災されたすべての方々の気持ちを考えますと言葉にできない思いがあります。
心の笑顔を取り戻すことができますよう・・・心よりお見舞い申し上げます。

今年の増毛は曇りのお天気で初日の出もほとんど見られませんでした。
少しだけ見えた午前7時35分頃の増毛町・暑寒別岳裾野の風景です。

昨年はたくさんの方々にお越し頂き、本当にありがとうございました。
JR留萌本線・増毛線の廃止を受け、全国から御来町いただきました。

今は廃校になりました「北海道立増毛高等学校」の高校生の頃、JRを使っての通学をして
おりました。毎日たくさんの高校生が乗っていました。
ちょうどこの頃、高倉健さん主演の『駅~station』の撮影があり
同級生もエキストラで出演するなど、とても楽しい日々を過ごしておりました。
その増毛線が廃止になるとは思ってもいないことでしたので最初はとてもショックでした。
実際に自分も増毛線に乗らなくなってしまったのですから仕方がないことだと諦めるしかありませんでした。
だったら、これからどうするか・・・と前向きに考えることが大切だ思うことにしました。
最後の日まで、しっかりと皆様をお迎えすることが私の仕事だと思って過ごして参りました。
ラストランの時はその雄姿を見るため、駅に向かいました。
腕がだるくなってもペンライトを振り続けました。

終わってしまえばまた普段の生活に戻り、「あれは夢だったのか・・」と、毎日駅前の様子を確かめてしまう日々が続いています。
あっという間に遮断機はテントで覆われてしまい、レールのガタガタはなくなってしまい、一時停止をしなくてもいい踏切に、悲しさと侘しさを感じながらその道を通勤しています。

今年は災害もなく、笑顔の多い1年になりますように祈念してお神酒をいただくことにしました。
全国の災害に遭われた方々の心からの笑顔が取り戻せますように・・・。

今年も旧商家丸一本間家、しっかりと頑張ってまいります。

                          :女中頭 さとう