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2010年9月19日日曜日

企画展「日本画家・仙田菱畝とくらす」


期間:9月17日(金)~9月26日(日)

 仙田菱畝(せんだりょうほ・明治26年―昭和44年)は昭和初期の日本画家で、本間家では彼の作品を多く所蔵しています。茶の間にある襖絵や客間に設置してある屏風などが彼の手によるものです。襖絵は菱畝が昭和9年頃に本間泰蔵の次男泰一に招かれて増毛に来町した際に直接描いており、それ以降も書簡などを通じて本間家と彼の交流は長く続いていました。
 仙田菱畝の兄は石塚仙堂(いしづかせんどう)といい、彼もまた同時代に日本画家として活躍しています。出身は新潟県上越市安塚区の大原というところで、二人は幼少より絵を描くことが何より好きで、兄の仙堂は年下の菱畝によく絵の手ほどきをしていた、と伝えられています。菱畝は画家を志して東京に出ると荒木十畝(あらきじっぽ)、後には小室翠雲(こむろすいうん)に学んで花鳥を得意とし、東京の目黒に住んで日本南画院に出品を続け活躍しました。


 客間にはパネルを設置して仙田菱畝についての解説をしている他、今回は四季花鳥図の掛け軸4本を館内に展示しています。上の写真は茶の間にある襖絵です。


 作品の制作で増毛町の本間家を訪れて以来、本間キミと仙田菱畝は交流が続いていましたが、菱畝が中風を患って右手が動かなくなった後、昭和37年から38年にかけて彼は左手でノート1冊に自分の履歴や暮らしの様子、ちょっとしたスケッチなどを書いてキミに送っています。
 客間にはこのノートを展示しています。上の写真はその中の1ページです。

「写生でもなく、並の画を見たでもなし、ただ自分の思うままのいたづらがきです。心配してやりし 菱畝が左(手)でこの如く画く様になったのです、本間キミ奥様。
これはみな奥様のありがたき御かげであります。」

 26日(日)まで展示しております。是非ご来館下さいませ。

/小野